もみじろぐ

とある男の、心のほんの一部

川崎中1殺害事件を通して思うこと

今朝、NHKで8時15分から放送している番組

NHK 週刊 ニュース深読み

を見て、言いたいことが凄い溢れてきた。例の事件についてだ。

 

 

 今回は、主に「LINE」を通じて浮き彫りになる現代の子供と大人の関係について、自分勝手な意見を述べていきます。

 

 

本質を理解していない大人が多すぎる

「なんで大人は気付けなかった」じゃねぇんだよ。「気付いて欲しくなかった」んだよ。

 

これはもはや現代における常識として頭に入れて欲しい。

子供は大人を必要としていない。「わかってくれない」大人なんて必要としていないんだ。

 

もし今回の件で、「LINEが悪い」「子供にスマホを持たせるのが間違ってる」なんて結論を出す輩がいたら言ってやりたい。

「だからお前は信用されないんだよ、頼ろうと思って貰えないんだよ」

大人としてはそれで問題が解決されれば楽だろうさ。でもそれじゃ何も変わらないどころか悪影響だ。子供を苦しめるだけだ。

 

子供には、親や周囲の大人たちに見せたくない顔や心情がある。それを発散する場所が、関係性が必須なんだよ。強引に「取り上げる」だの「見せろ」だの野暮にも程がある。

大前提として、子供は大人に介入されたくない。そんなこともわからないぼんくらに「大人を頼れ」なんて言う資格はない。

 

 

 

誰に助けを求めたら…

多くの家庭・学校で「わかってくれない大人」と「息を殺して過ごす子供」の構図が出来上がっている以上、子供から大人に直接助けを求めづらいのは言わずもがな。

 

相談してもきっとわかってくれない

そんな思いが彼らの勇気をくじいている。そう、やっぱり「わかってくれる」かどうかがポイントなんだ。

 少しでも「わかってくれる」を感じられれば口を開けるはずなんだ。だからそんな相手が必要になる。できれば会って話せる人が。

 

会う、面と向かって話すというのも大事

「LINEでの文面では深刻さが伝わらない」

番組に出演していたタレントのユージさんの意見だ。とても的を射ている。専門家の先生もおっしゃっていたが、彼のような「わかってくれる」親が多数派になることを切に願う。

「死ぬ」「殺される」こういった言葉が軽くなっているのが原因というのも的確だ。しかし、言葉の使い方を正すのは容易ではない。というかここまで浸透していると不可能だ。

 

俺としてはやはり、面と向かい合って相談できるならそれがベストであろうと思う。次点としては電話だ。音声になるだけでもそこに含まれる情報量は跳ね上がる。ニュアンスの取り違いなどは大いに軽減されるだろう。

 

 

 

大人たち、特に子供と距離が近い親や先生に言いたい

大人にはどうせ子供の気持ちは「わからない」、だから放任するべきだ。そう言いたいわけじゃない。

 

これは僕の愛読書の受け売りそのままなんですが、そもそも放任とは「子供が何をしているのか知ろうともしない」という態度です。それではいけない。

大人が取るべき態度は、「子供が何をしているかできる限り知ろうと介入ではなく歩み寄ること。そして見守り、いつでも助ける用意があることを伝えておくこと」。

 

まあ、難易度が高いのは承知しています。だがこれは人生の先輩として大人が負うべき負担です。歳が離れているからこそ、一個人として時間をかけて真剣に向き合わなければいけないんだ。

可愛い子供たちのためです。歯を食いしばって向き合って欲しい。

 

具体的にいえば、今の子供たちの実態を把握することから始めてほしい。詳しくはないが、あちこちで「親子関係」「先生のあり方」「カウンセリング」「ネットリテラシー」など様々なテーマを扱っている集まりがあるはず。そういったテーマの書籍を読んでみるのもいいだろう。

 

大事なのは、とにかく「わかろう」とする心を持ち続けること。忘れないでほしい。

 

 

 

わかってくれる相手はどこに?

前回の記事で、自分から発言し続けるべきだと俺は言った。

 

でも、重大な見落としがある。というか見て見ぬフリで通り過ぎた問題がある。

それは、「そんな声もあげられない環境にいる人は、どうしたらいいの」ということ。

 

正直に言って、お手上げだ。今の俺はその問いに対しての答えを持っていない。

だから、もしそんな状況にある人がいたとしたら、心から言おう。

 

ごめんなさい。本当に申し訳ない。今の俺には、君を救ってあげる力も知恵もない。

 

 

だからこそ願う。どうか出会えますように。人じゃなくてもいい。音楽や本、芸術が共感を与えてくれることだってある。それで救われた人だってたくさんいる。

 

世界は広い。共感はあちこちに、山のように、転がっているはずなんだ。

 

 

おしまい。

 

 

 

 

※参考文献

 

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 俺の愛読書とはコレ。「幸せ」「対人関係」「自由」などについて二人の登場人物が議論を重ねていくという形式。読み始めたらどんどん引き込まれて最後まで読み切ってしまったのはこの本だけです。「放任ではなく…」のくだりはこの本のセリフを引用させてもらいました。

 

 

不登校、ひきこもり こころの解説書―僕がひきこもりだったときに言えなかったこと

不登校、ひきこもり こころの解説書―僕がひきこもりだったときに言えなかったこと

 

 再登場。前回若干重いかも、とコメントしましたが、改めて読み直すと内容の濃さに感服。不登校などを経験したことのない人でも感じる「自信を失う」「変わらなきゃ」「人との比較」といった不安を見事に代弁しています。是非読んで欲しい。