もみじろぐ

とある男の、心のほんの一部

結局父親に似るのか

父親が嫌いだった。

正しさのハンマーで人を殴ってくるような人だったから。


無論、当人に殴っている自覚はない。

正しくないことを正そうとしていただけ。その正しさは決して独善的ではなく、誰が見ても「まぁ確かに正しい」と言える本当の正しさで、それをただ貫いている人だった。

だから今思えば、父は糾弾されることは何もしていない。
むしろ誇れる親であったはずだ。

それでも小学生から高校生にかけて、僕は父を本気で嫌悪していた。


その理由は、自分の一切の感情を無視されたからだろうと思っている。
物事の結果だけを見て判断され、僕の内側で起こっていた過程を切り捨てられるようなことが多くあった気がする。



そんな嫌悪した父の特徴を、僕は継いでしまっている気がしてならない。

人に教えるとき、つい熱が入ってしまう自分を感じる。

正解を何より優先してしまう自分がいる。



うまく言葉にできないけれど、父と同じような人間になっている気がする。

なぜか今になって父に同情できるし、なぜか今になって父の苦労が身に染みる。


結局、男ってこういう生き物なの?
結局、頭でっかちで、固くて、融通がきかない人になっちゃうの?