もみじろぐ

とある男の、心のほんの一部

悪者がいないと世界は回らない

気付いたんだ。

 
みんな悪者の存在を求めている。
 
 
 
勧善懲悪。
 
どこかに悪巧みしてる悪者がいて、正義の味方をそれを次々と倒していく。
 
そんなアニメ、特撮、時代劇を誰もが見て育ってきただろう。
 
 
でも、ふと疑問に思わないかい。
そんな絵に描いたような悪者が本当にいるのかって。
 
 
  
殺人犯がいたとして、その人の過去がそんな人格を作らざるをえないひどいものだったとして、それは悪者だろうか。
 
 
もっと身近に考えてもいい。
 
いじめっ子は悪者だろうか。
 
子供を虐げる親は悪者だろうか。
 
根っからの悪者だろうか。最初は善人だったのではなかろうか。悪者にならざるを得ない理由があったのではなかろうか。
 
 
ネットではよく悪者叩きが起こる。
 
悪者なんだから、痛めつけて当然と、大勢で袋叩きにする。
 
あらん限りの敵意と悪意をぶつける。
 
 
違和感だ。
 
 
僕たちが持っている善悪の判断基準ってなんだろうか。
 
法律に照らして違反であればいいのだろうか。
 
 
わかってる。はけ口が必要なのは。
 
 
必要悪とはよく言ったものだ。
 
 
 
人はそれぞれ、自分にとっての悪者を必要としている気がする。悪意と敵意を向けなきゃいけない対象が。
 
俺にとっての悪者は、たぶん俺が嫌いな人全て。
 
 
 
正義とか善悪とか、よくわからない。
 
だったら、もう好き嫌いでいいんじゃないのか。
 
 
 
少し前に「世界が好き嫌いだけで回っているとか思ってるの?」ってある友人に否定的に言われたのだけれど、僕は「えっ、違うの?」としか返せなかった。
 
 
 
 
おしまい。