もみじろぐ

とある男の、心のほんの一部

不幸は比べられない

「不幸の度合いなんて比べられない」
 
俺はそう思ってます。
 
 
 

 誰かの不幸話を聞いた時、「いや、俺の方がもっとひどい目にあったことがある」とどこか対抗するように考えてしまうこと、ありませんか?

 
俺はあります。
 
 
 

 

はたまた、我が家では「もっと貧しい国でも一生懸命に生きている人がいるのにお前ときたら」みたいな叱られ方がよくありました。
 
 
でも、おかしいですよね。不幸を比べるなんて。
 
 
だってもし比べられてしまったら、不幸に度合いがついてしまったら、それは劣っている方の不幸がまるでないもののように扱われてしまう。
 
俺はそれが許せない。どうして不幸が、苦しみがなかったことになってしまうんだろう。
 
 
確かに、感覚的に、僕たちよりも苦しい状況で必死に生き延びている人達はいる。
 
だけど、俺は嫌だ。自己中な俺は自分の辛さを否定されるのが嫌なんだ。
 
他人の苦しみがなんだ、地球の裏側の人達の苦労がなんだ。そんなの知らない、わからない。
 
 
「辛かったんだね」
「よく頑張ったね」
「もう大丈夫だよ」
 
そんな言葉をかけて欲しかっただけなんだ。
 
 
時々自分の内側から聞こえてくる。
「悲劇の主人公を気取りたいだけなんじゃないの?」って声が。
 
そうかもしれないね。俺は憐れんで、同情してもらいたいだけなのかもしれない。
 
だって、そういうことされたことがなくて、されたかったんだもの。
 
優しくされたかったんだもの。
 
それだけが、ずっと欲しかったんだもの。
 
 
 
 
ときおり、どうしようもない寂しさに襲われて、震えることがある。
 
これは何の病いなんだろうね。いつになったら治るんだろう。
 
 
 
ときおり黒い感情が暴れだす。
 
その様子は経験のない人にはさぞ不気味に見えるかもしれないけど、でも肯定して欲しい。
 
 
どれも大切な俺の一部だ。
 
 
 
不安を吐き出さずに生きてる人ってすごいなぁ
俺はこうやって定期的にぶちまけないとおかしくなってしまいそうだよ。
 
 
 
 
おしまい。