もみじろぐ

とある男の、心のほんの一部

今までの恋愛の話

今日は切ない話でもしようと思う。
 
恋愛モノのアニメを見て少し触発されて、悲劇に浸りたくなったしまった。
 
 

 過去の悲しみに浸る癖が最近の悩みだなぁ。いい加減、気味が悪いんじゃなかろうか。

 
 
 

仲の良い友達と、どう違うの

最初はわからなかった。好きになるとか、恋とか。
 
でも、なんとなく、女の子と仲良くなれるのが嬉しかった。女の子と会話すると、同性の友達とは少し違う楽しさがあった。中学生の頃の話だ。
 
席が近くて、給食の班で一緒な子がいた。会話が弾んで、楽しかった。もっと仲良くなりたいって思った。
 
その子は、俺の友達が好きだった。同じ学年で生徒会の会長と副会長。なんだその絵に描いたような組み合わせ。
 
どのタイミングで告ったのかは知らなかったけど、いつの間にか付き合いだしていた。 二つしかないクラスで二人は別クラス。俺は同じクラスで、のろけ聞く担当。手紙を渡す役とかしてた。
 
なんで学校で文通してんだよ、メールでやれよ。
 
なんて当時の俺は思わず、せっせと間を取り持つ役をこなしていた。なんていうのかな、役に立ってるのが嬉しい、みたいな。辛くなかったんだよね、案外。
 
他にも仲の良かった男子が彼女作ったとか聞いて、少し羨ましくなった。
 
ほとんど話したこともない人の下駄箱にラブレター入れてみた。んで普通にフラれて、「ですよねー」ってなった。別に何も感じなかったな。
 
結局、仲の良い異性の友達が欲しかっただけだった。
 
 
 

付き合えたら勝ち

「え、お前付き合ってなかったの」
 
高校のとき、帰り道が一緒の女の子がいた。同じ部活で、他の全員が電車の方向が同じなのに、俺とその子だけは逆の方向だった。
 
駅の対岸から見た俺たちは、付き合っているようなオーラ出ていたらしい。当然付き合ってないし、好かれている感じもしなかった。
 
付き合うのがどういうことか、なんて深く考えた事なかった。ただ、それは俺がまだ見た事ない景色で、その景色を知っている人が羨ましかった。その景色が見たかった。
 
周りの流れに乗せられて、告白してみた。でも、答えは聞く前から知ってたんだ。
 
気付いてた。この子は俺を好きにならないって。なんでかな、でも確信に近い何かがあった。
 
予想通りの答えで、それを「だよねぇ」って受け取る自分がいて、それに少し悔しかった。悔しくて、目の潤いが少し増した。
 
その後しばらくは勉強がすごいはかどった。「フラれたら勉強できるようになるのかよ」って言われて、なるほどって思った。
 
友達として気まずくならなかった、思いの外。でも、なんか距離は遠くなった気がした。
 
「あぁそうか、俺は失敗したんだ、負けたんだ」
 
絶望感というより、敗北感だった。
 
 
 
 

一緒にいたい

俺がたどり着いた結論。ようやくたどり着いたのは、18の春。そう、去年だ。
 
浪人して、大阪に行って、ひとりぼっちになって、わかった。俺が欲しかったのは、味方だった。何があっても話を聞いてくれて、「大丈夫」っていってくれて、包み込んでくれる人。それは母性だ。
 
気付かせてくれた人がいた。人生で初めて俺の心の蓋を開けた人。それが声だけの相手だなんて、笑っちゃうよね。
 
共依存ってやつだね。向こうはフラれた直後、俺は友達がいない、二人とも寂しくて仕方がない感じだった。お互いネットをさまよって、出会ってしまった。
 
遠くに感じていた女子の心の一部が見れた。2歳も年下だったけど、俺の知らないことをいっぱい知っていて、教わった。そして俺の心の穴を暴いてしまった。
 
その子と話すようになって、それまで感じたことのない孤独を感じるようになった。
 
「誰かお願い、お願いだから一人にしないで。一人は嫌だ。寒い。」
「なんでもいい、肯定してくれ、不安なんだ。自分がわからない。何をどうしたいのか、わからないんだ」
 
そんな風に心が叫んでいる気がした。
 
自分の心の穴を見つけて、自分がわかって、それを見出してくれた人は運命なんじゃないかと思った。
 
諦めきれなくて、二度も告白したのは初めて。二連敗も初めて。
 
フラれて、声を上げて泣いたのも、初めて。
 
 
 
 

付き合ってからが大変なんだよ

本当は、これを語るのはルール違反な気がする。だってこれは、俺が最近犯した誤ち。「もみじ」として恋愛をしてしまった話だから。
 
でも、忘れたくなくて、振り返ってしまう。忘れちゃえば楽なのに、忘れられない。ごめんなさい。
 
女の子にすがる快楽を覚えてしまった俺は、すぐに二度目のネット恋愛をする。そして人生初彼女を作ってしまう。
 
溺れた。もう自分にはそれしかないってほどに溺れた。自分の将来の夢なんて放り出して、家族になりたいなんて思った。馬鹿だ。大馬鹿だ。
 
遠距離なのが辛くて、彼女の地元に進学しようとまで思った。乱心だ。真面目に親父に相談して、罵られた。
 
ネットで知り合って初めて会った人は彼女で、ちょっぴりいけないことをしたのも初めて。
 
そんでもって、初めて誰かをフった。
 
なんでフったのか。それは自分の都合。勉強と両立できないから。滅多に会えないから。でも一番の理由は溺れていく自分が怖かったから。
 
溺れて、乱心して、夢も忘れて、勉強そっちのけで。堕ちてる気がした。このままだと自分がダメになるんじゃないか。そして今の幸せをなんとも思わなくなって、彼女を傷つけるんじゃないか。
 
それがとてつもなく、怖かった。
 
怖くて、引きちぎった。心が引き裂かれる感覚ってこういう感じなんだ。自分の奥の方から、ブチブチブチッって糸で繋がれたものを無理やり引きちぎる音がした。
 
彼女の心には、きっとこれ以上の痛みがあったに違いない。泣いてたよ。声だけだったけど、あんなに悲しそうな声は二度と聞きたくない。
 
そうさせたのは、俺だ。それなのに、なんでだよ。
 
なんで「家族になってあげられなくてごめんね」なんて言うんだよ。責めろよ。罵れよ。
 
今でもハッキリと覚えている痛みなのに、でもなぜかその時は涙が出なかった。
 
 
 すごい悲しいときって、涙も出ないんだ。
 
 
 
 
 
 
おしまい。